一族郎党

 

 

 

ぼくと同じ誕生日のおじいちゃんは 住職

 

 

 

東大の近くのお寺さんで

 

トウダイモトクラシ

 

 

 

近すぎて見えなかったんだ  よく言ってた

 

 

学徒出陣で戦争に行ったんだけど

 

男兄弟のいない中 お寺の跡取りだったからか近衛の所属になり そこが負い目になっている気がした。ぼくは昔の話を聞くのが好きだったから、よく昔の話をきかせてもらってた。

 

 

 

行くと本を読んで書き物をしてるか、時代劇をみてる人だった。よく法話をしに あちこちに行っていたみたいだけど、ぼくは聴いたことはない。

 

たしか卒論は歌舞伎だ。

 

 

 

 

 

 

母は 教員。

 

家でも大きい声を出すのがいやだった。

 

 

 

 

もしかしたら これを見てるかもしれないから めったやたらなことは書かない。

 

 

 

 

 

 

ぼくは 絶対に 先生 とよばれる仕事には就かない。そう決めていた。

 

 

 

たしか卒論は 源氏物語

 

 

いや

 

漱石の こころ だったか?

 

 

きちんと話は聞いたことがない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな直系血族に 

 

 

新たな 『先生』 が誕生した。

 

 

 

 

 

 

いまのところ保育園の先生の影響が色濃く残っていて

 

 

とても丁寧で優しい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どうか むすこをよろしくおねがいいたします🙇