9年前
当時 教室長だった北小金の教室に 68歳の方が通っていた。
そもそも入塾の説明をしたのはぼくで
正直、入塾することにびっくりしたし
早稲田大学への受験勉強を熱心にされていたのもびっくりした。
休みの日に 古典の学習法を一緒に聞きに行ったりした。
数百人の高校生がいる教室の中で
中年と高齢者の2人が前方中央の席に混ざっていて
それは はたからみたら異様な光景だったに違いないけど
ぼくはともかくとして
彼は 学習に対して真剣だった。
理系分野で 定年まで勤め上げ
電気関連の分野で特許もお持ちの技術者だった。
今度は 文系で早稲田にいく とおっしゃっていた。
そう
そのNさんに 奥様のご実家からいただいた林檎をわけていただいたんだ。むすめさんに って。
で
で りんごのケーキをつくったんだよ
2歳になるときだった。

炊飯器に ホットケーキミックスと 林檎をいれるだけなんだけどね
よく覚えてる。
幸せのピークだったね。
あー 子どもが生まれてきてくれると こんなに幸せなんだ って。
というか ぼくは幸せ っていう状態を
むすめが生まれてきてくれて はじめてわかったように思う。
日に2,3回 生まれてきてくれてありがとう ってむすめとむすこには言ってるんだけど
むすめが生まれてきてくれたから幸せになったんだ というのも何百回かは話してる気もする
りんごケーキをつくったり
夜泣きするむすめを深夜車に乗せて寝かしつけたり
前向き抱っこでほっかほかなむすめと汗だくになりながらいろんなところに行ったり
そういうのが
ぼくの人生のピークだった。
今日 かけっこ教室の前に

むすめとむすこと
9年ぶりに りんごケーキをつくった。
上にも書いたけど 何のことはない
りんごをスライスして
炊飯器に敷き詰めて ホットケーキミックスを流しいれるだけなんだけどさ
まださ
ピークが続いてるんだよね 不思議なことに。
子どもの人生は子どもの人生だけど
照らしてくれるのかもね
親を。
子ばなれの時期は近い
いつも そう思いながら
伝えてる。
明日も親ができるといい。

