『ミライの授業』瀧本哲史(講談社)  最終章より  2/3

 

 

その方法と具体例については、もう十分に説明したつもりだ。

 

 

もともと、わたしは投資家である。

 

若くて可能性のある人たち(企業や経営者)を応援して、一緒に大きな夢を実現すること、ゆくゆくは世界を変えることが、わたしの仕事だ。

 

京都大学で学生たちを育てているのも、わたしにとっては投資である。彼らのなかから、世界をひっくり返すような変革者が現れ、この世界が少しでも前進してくれたら、こんなにうれしいことはない。投資家であるわたしは、自分の手で世界を変えるのではなく、世界を変える人たちのサポートをすることに、自分の居場所を見いだした。そんなふうに考えることもできるだろう。

 

 

そして今回、わたしは14歳のきみに、いちばん若くて可能性に満ちあふれたきみに、投資することを決意した。

 

 

それが世界を変える、最善の手段だと思われたからだ。この授業でまかれた種がどういうふうに芽を出し、どう育っていくのか。どんな花を咲かせて、どんな果実を実らせるのか。いまのわたしには、想像することさえできない。

 

 

 

ただひとつ、わかっていることがある。

 

この講義に触れ、この本を読んだ全員が「20人目の変革者」になるわけではない、という事実だ。

 

現実の壁にぶつかることもあるだろう。逆風にさらされ、くじけそうになることもあるだろう。世間に流され、「常識」に染まりそうになることもあるだろう。 

 

そしてあるときつまらない大人になりはじめた自分に気づくこともあるかもしれない。

 

そんなときはぜひ、もう一度この本を手に取ってほしい。

 

幾多の困難を乗り越えた変革者に触れ、未来をつくった人々に触れてほしい。  

 

そうすればきっと、今日の気持ちを思い出し、14歳だった自分を思い出すはずだ。可能性に満ちあふれていた自分を思い出すはずだ。



 

ミライの授業  

瀧本哲史さん 

講談社より

 

 

 

~作品紹介から抜粋~

 

「私の著作活動は、この一冊のためにあった」――ベストセラー『僕は君たちに武器を配りたい』の著者・瀧本哲史さんが全国の中学校を訪れて開講した特別講義「未来をつくる5つの法則」のエッセンスが本になりました。これからを生きる14歳に、そしてかつて14歳だったすべての人に届けたい一冊です。

 

学校は、未来と希望の工場である――。そしてきみたちは魔法を学んでいる。

 

未来を生きるすべての子どもたちに、そして今を生きるすべての人に贈る、筆者著作活動の集大成 。

 

 

 

  

ラスト 3/3 は また明日👋