とある中一

 

 

 

国語の答案を埋めてきた。彼なりに考えて書いた答案だった。

 

 

 

  

 

 

 

  

 

 

いま お迎えのお父さんにお話ししたんだけど

 

 

  

 

 

 

 

  

 

それっていうのは

 

 

 

 

彼にとって 取りも直さず

 

 

 

前向きに生きてる ってこと。

 

 

 

 

 

 

  

 

 

 

ふつう ちんぷんかんぷんの

 

 

 

自分にとって 本当にくるしい科目だったら

 

 

 

 

後ろ向きさが 答案に出てくるもんなんだ。

  

 

 

 

 

 

 

 

おざなりな回答がね。

 

  

 

 

 

 

  

 

 

 

 

 

でも  あの子の今回の答案はちがった。

 

 

 

  

 

 

 

 

 

 

ぼくの中では  それがとても新鮮で

 

 

 

 

  

 

 

 

  

 

 

 

 

〇〇〇〇は  なにもひとつもあきらめずに前向きに生きてるんだな

 

 

 

 

 

  

 

 

そう 昨日の夜 テストをみながら 思い当たったんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

 

 

それが とてもうれしくて とても貴くてね

 

 

 

 

  

 

 

 

ここまで温存できた前向きさ を

 

 

 

ぜひ すずのき卒業のその瞬間まで 温存させたいな

 

 

  

って そう思ったんだよね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

全然 なんのことかわかんないよね

 

  

 

 

 

 

 

 

 

  

でも いいんだ

 

 

  

 

 

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

奇跡は いつだって ごろごろ転がってる

 

 

 

そういうことを ふと感じたんだよね

 

 

 

 

 

   

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの国語の答案には 伸びしろがあるんじゃなくて

 

 

 

 

 

 

 

希望

 

 

 

 

 

あの子が今後 そうやって生きていけたら 絶対にいいな っていう希望がつまってた

 

  

 

 

 

  

 

 

 

 

けっこう うれしかったんだよね